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一般小児科

気道感染症:発熱、咳嗽、鼻汁などの上気道炎(かぜ)症状

インフルエンザウイルス

発熱、頭痛、咳、鼻汁を主症状とします。治療としては抗ウイルス薬(オセルタミビル)を投与します。
出席停止期間は、発症後5日を経過し、かつ解熱した後2日(小・中学校)経過するまでです(幼稚園・保育園は解熱後3日)。
注意する合併症として、肺炎、脳症、中耳炎、心筋炎などがあります。
脳症を合併した場合には、けいれんや意識障害を来たし死に至る場合や後遺症を残すことがあります。

*当院ではインフルエンザ検査に関して、鼻腔からの抗原検査と咽頭所見を写真撮影してA.I判定するnodoca検査を取り入れています。それぞれの検査の特徴(メリット・デメリット)については下記を参照ください。

迅速検査とnodocaのメリット・デメリット
  メリット デメリット
迅速検査
鼻腔からの検査
・問診票の記入が必要ないため検査までの時間が早い ・検査に痛みを伴う
・発熱してから12時間以上経過していないと検査の感度が低い
nodoca
カメラで咽頭撮影
・痛みを伴わず、検査自体は簡易にできる
・発熱してから12時間以上経過していなくても検査の感度が高い
・問診票記入の必要があり、咽頭撮影、判定までに少し時間がかかる
・インフルエンザの型判定はできない

※発熱は37.5℃以上を確認した時間からになります

新型コロナウイルス

発熱、咽頭痛、咳、鼻汁を主症状とし、時に熱性けいれんやクループ症候群を来す例も増加しています。
基本的には対症療法が行われますが、重症化リスクのある方は、抗ウイルス薬(レムデシビル)を使用することもあります。

RSウイルス

発熱、咳嗽、鼻汁、喘鳴を主症状とし、年長児では軽い風邪症状ですむ場合も多いですが乳児期早期に感染した場合には、肺炎や急性細気管支炎となり、呼吸困難から入院治療を必要とすることもあります。

ヒトメタニューモウイルス

発熱、咳嗽、鼻汁、喘鳴を主症状とし、年長児では軽い風邪症状ですむ場合も多いですが乳児期早期に感染した場合には、肺炎や急性細気管支炎となり、呼吸困難から入院治療を必要とすることもあります。

手足口病

口腔粘膜と四肢末端に水疱性発疹を生じる疾患です。時に発熱することがあり、口腔内の痛みのため、飲水や飲食が困難となることが問題となります。
根本的治療はなく、症状に合わせた対症療法が中心となります。

咽頭結膜熱(アデノウイルス)

発熱、結膜炎、咽頭炎を主症状とする疾患です。プールを介して流行することが多いのでプール熱とも呼ばれます。
高熱、頭痛、咽頭痛、食欲不振を訴え、これらの症状が数日から1週間継続します。
特異的な治療(特効薬)は無いため対症療法にて症状の改善を待ちます。

水痘(みずぼうそう)

紅斑(赤い発疹)、丘疹(盛り上がりのある発疹)、水疱、膿疱(膿みをもった水疱)、痂皮(かさぶた)の順に進行する発疹が出現し、伝染性の強い感染症です。
治療としては抗ウイルス薬の内服を行い、全身の水疱が痂皮化するまで出席停止となります。

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

耳下腺が急に腫れてくることを特徴とする疾患です。合併症としては無菌性髄膜炎が多く、また難聴の原因としても注意すべき疾患です。
大人になって発症する場合には精巣炎、卵巣炎などの生殖器への合併症があります。
有効な治療薬はなく対症療法がメインとなるため予防接種による予防が重要です。

溶連菌

A群溶血性レンサ球菌が原因となる感染症です。扁桃炎など上気道感染症、皮膚感染症などが主な疾患です。
注意すべきことは、色々な症状を呈すること、合併症として発症数週間後にリウマチ熱、腎炎を起こすことがあります。
症状が改善しても抗生剤を7-10日間内服継続する必要があります。

マイコプラズマ

長引く発熱、頑固な咳を主症状とし、年長児や成人にも感染することが多い疾患です。治療としては、効果のある抗生剤(マクロライド、年長児ではニューキノロン)を投与します。

消化管感染症:発熱、下痢、嘔吐、腹痛などの症状

ロタウイルス腸炎

嘔吐と下痢が主症状であり時に下痢便が白くなることがあります。
時に脱水やけいれんを起こすことがあり、重症例は点滴や入院が必要となることがあります。経口生ワクチンによる予防が重要です。

ノロウイルス腸炎

嘔吐と下痢が主症状であり時に脱水を合併します。
有効な治療薬はなく対症療法を行います。

サルモネラ腸炎

感染経路は汚染された生卵、生肉等の摂食による経口感染であり発熱、嘔吐、下痢、血便が主症状です。
治療は安静、食事療法を行い、重症例には抗生剤投与を行います。

カンピロバクター腸炎

感染経路は汚染された鶏卵、鶏肉、牛肉、魚などからの経口感染であり、発熱、嘔吐、下痢、血便が主症状です。
時に発症数週間後にギランバレー症候群と呼ばれる神経障害を合併することがあります。
治療は安静、食事療法を行い、重症例には抗生剤投与を行います。

尿路感染症

腎盂腎炎

長引く発熱、全身倦怠感などが主症状であり他の症状は目立たないことが多いです。
治療は抗生剤投与を行います。
腎盂腎炎を繰り返す場合や、膀胱尿管逆流症などの基礎疾患がある場合には、抗生剤の予防投与を行うこともあります。

膀胱炎

膀胱炎の主な症状は、頻尿(トイレへ行く回数が多い)、残尿感(尿が全部出しきれていない)、排尿時痛(オシッコをする時の痛み)などがあります。
膀胱炎の治療は水分をしっかり取って排尿を促すこと、必要に応じて抗生剤投与です。

便秘症

便秘は、「便が滞った、または便が出にくい状態」であり、便秘による症状(腹痛、腹部膨満、排便時痛、排便困難、排便時の出血、便失禁など)を認め、診断、治療が必要である状態が便秘症と定義されます。
小児の便秘症は、機能性便秘症と器質性便秘症に分類され器質的な異常(解剖学的異常、代謝性、神経筋疾患、薬剤性など)による器質性便秘症を除く便秘症を機能性便秘症と呼びます。
小児の機能性便秘症は、日常診療で出会う頻度の高い疾患であり、早期に適切な治療を開始することでコントロール可能となることが多いです。

機能性便秘症の診断基準

少なくとも最近1か月間にわたり週1回以上、以下の2項目以上があり、過敏性腸症候群の基準を満たさないこと

  • 1週間に2回以下の排便
  • 少なくとも週1回の便失禁
  • 便を我慢する姿勢や過度の自発的便の貯留の既往
  • 痛みを伴う、あるいは硬い便通の既往
  • 直腸に大きな便塊の存在
  • トイレが詰まるくらい大きな便の既往

機能性便秘症の治療

  1. 便塊除去
  2. 生活・排便習慣の指導
  3. 食事療法
  4. 薬物療法

早期より薬物療法を併用することを考慮するポイントは以下の通りです。

  • 排便自立後であるのに便失禁や漏便を伴う
  • 便意がある時に足を交叉させるなど我慢姿勢をとる
  • 排便時に肛門を痛がる
  • 軟便でも排便回数が少ない(排便回数が週2回以下)
  • 排便時に出血する
  • 直腸脱などの肛門部所見を併発している
  • 画像検査で結腸・直腸の拡張を認める
  • 経過が長い
  • 他院での通常の便秘治療で速やかに改善しなかった

夜尿症

5歳を過ぎても月に1回以上、3ヶ月以上続く場合には、夜尿症と診断され治療が必要となる場合があります。
夜尿症の原因として、夜間寝ている間につくられる尿量と、尿をためる膀胱の大きさのバランスがうまく取れていない場合に起こります。
眠っている間に作られる尿の量が多すぎる、膀胱へ十分尿をためられないことが夜尿症の原因となります。
夜尿症の治療は、生活改善をベースに薬物療法、アラーム療法などがあります。生活改善のポイントとしては下記の通りです。

規則正しい生活をする

夜更かしや不規則な生活は夜尿症を悪化させます。
早寝早起き、決まった時間の食事を心がけましょう。
夕食後から寝るまでは可能であれば2-3時間あけましょう。

水分の取り方に気を付ける

寝る前に水分を摂りすぎると夜尿症につながります。
朝食と昼食では水分をたくさん摂って、昼食後からは水分を控えめにし、夕食時から就寝まではコップ1杯(200ml)程度の水分摂取にとどめましょう。

塩分を控える

塩分の摂り過ぎは、喉の渇きから夜尿症の原因となる水分の摂り過ぎにつながります。
また塩分の摂り過ぎは、水分を摂り過ぎていない場合でも夜尿症の原因となります。

寝る前にトイレに行く

トイレに行ってから寝る習慣をつけましょう。

便秘に気を付ける

腸に便が多量にある状態(便秘)は膀胱などを圧迫し夜尿症の原因となっている可能性があります。
食物繊維を多く含む野菜、果物、豆類、芋類などを摂るように心がけましょう。

寝ている時の寒さ(冷え)から身を守る

冷えは尿量の増加や膀胱の縮小につながります。
冬は体を冷えから守り温かくして寝ましょう。

夜中、無理にトイレに起こさない

保護者の都合で夜中に無理にトイレに起こしても、夜尿症治療に効果はなく良質な睡眠を妨害します。
ただし宿泊行事などの際に、緊急避難的に夜中にトイレへ起こすことは問題ありません。

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